よくある質問
当センターによく問い合わせのある質問を集めてあります。
また、メールでの質問も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください
また「ちょっと良い話」でもいろいろな情報をご紹介しております。よろしければご参照ください。
淹れ方
ティーバッグの出が悪いときがあります。良い方法はありますか?
原料的には同じお茶を順次詰めているだけですので、内容は同じですが、当方で実験した際に水とティーバッグの入れ方の順番で違いがありましたので、ご報告します。
- 1.水を先に満たしてから、次にティーバッグを入れ、かき混ぜる。
- 2.ティーバッグを先に入れてから水を入れ、かき混ぜる。
- 3.ティーバッグを先に入れ、水を半分ほど入れかき混ぜて色を出してから水で満たす。
以上の3パターンで試した所、3が一番良く出ました。次いで2が良く出ましたが、1は良く出るとはいえない結果になりました。この結果から推測すると、ティーバッグが水の中で良く動ける状態が一番出やすいと言えます。もし、出方が悪いなと思いましたら上記の方法でお試し下さい。
1煎目は洗う為に捨てたほうが良いと聞きましたが本当?
煎茶(緑茶)はまったく洗う必要はありません。お茶の成分は一煎目に7割の成分が出てしまいます。もちろん洗うと言うくらいですから浸出時間は短いとは思いますが、それでもかなり出てしまうことでしょう。せっかくのおいしい部分ですから召し上がってください。
では、なぜこんな話が出たのでしょう?となりますね。調べてみた結果、理由は中国茶にあるようです。
「洗茶」と言う習慣が中国にはあり、熱湯消毒・アク取り・出を良くするといった目的で行なったそうです。ただ近年では衛生上、かなり進歩していますので、あまり考える必要はないようですが、黒茶などは数10年の長きにわたり熟成される事があるので、行なう必要があるようです。また、黒茶などは独特なにおいがありますので、苦手な人は洗茶したほうが飲みやすくなると思います。ちなみに中国茶で作られる緑茶も洗う必要はないようです。
2煎目をおいしく飲むには?
お茶は2煎目、3煎目と注いでいきますと次第に浸出する成分が少なくなっていきます。標準的なお茶の入れ方に記載されている温度で浸出した場合、可溶成分の約70%は1煎目で出てしまいます。
したがって2煎目や3煎目は当然1煎目とは濃さが違ってきます。
ですが、残っている成分は確かに浸出されますので、その残っている成分が変化しないうちに入れる必要があります。
お茶は水分が苦手ですから一度お湯に通してしまった茶葉はどんどん劣化していきます。ですから2煎目をおいしく入れるにはなるべく茶葉が劣化する要因を減らす事が一番です。
具体的には1煎目は完全に絞りきる事(紅茶ではこの最後の一滴を”ゴールデンドロップ”と呼び、一番おいしい部分と言われています。お茶も同様ではないでしょうか。)やなるべく早めに2煎目を出す事等ではないでしょうか。
粉が多くて急須が詰まってしまうのですが?
粉の部分はある程度あったほうがコクや深みが出ておいしくなります。
当センターでも必要以上に入らないようになるべく少なくはしておりますが、おいしく飲んでいただくためにはやはりすべて取り去ってしまうわけにはいきません。
最近ではこういった深蒸し茶用の急須もありますので一つ購入してみるのも良いのでは?
あと、粉の少ない「極浅蒸し煎茶」もご用意しておりますのでこちらを試してみるのはいかがでしょうか?
味もお茶本来の風味を大切に作ってありますのでお勧めです。
(参考:「おいしいお茶の淹れ方」の「急須の上手な使い方」もご覧下さい。
いつも同じお茶を買っているのに味が微妙に違います。
お茶は1年間(以下すべて新茶時期4月半ば頃~翌年新茶時期前までを1年間としております)は同じ原料を使って製造します。
しかし、1年分通して一度に製造するのは荒茶の段階までです。
この段階で冷凍保存しておき、1年間の間に何回かに分けて仕上げ加工を施し商品にしますが、この仕上げの状態によって微妙な味の差が出てくる事も否定はできません。
原因は温度であったり湿度であったりさまざまな状況によって起こります。
私たちは常に一定の味に保つために努力はしておりますが、微妙な違いはこういった状況からくると言うことをご理解いただきたいと思います。
ただし、新茶に切り替わった場合は原料自体かわってきますので、こういった理由だけではなくなってきます。
お茶の入れ方を教えてください。
一般的なお湯の温度や茶葉の量などを記載しておきます。
ただし最終的にはご自分の好みになりますので、参考にして頂き、最適な入れ方を探してみて下さい。
種類 | 湯温 | 入れ方 |
---|---|---|
玉露 | 湯温50度~60度前後 | 茶葉は3人分で10グラム程度、湯量は60ml(一人あたり15ml程度)ぐらい、一煎目は湯に浸してから2分ほど待ってから湯のみに静かに注ぎます。この時、急須を回したりして注ぐと渋みが出てしまいますので気をつけましょう。二煎目は30秒ほどで注いでください。 |
煎茶 | 湯温70度~80度 | 茶葉は5人分で10グラム程度、お湯は上級茶で70度ぐらい量は300ml程度(一人あたり50mlぐらい)、並茶で80度ぐらい湯量は450ml程度(一人あたり80ml)ぐらいが大体の目安です。 深蒸し煎茶:10~20秒 秒程度 普通煎茶:20~40秒 秒程度 浅蒸し煎茶:40~60秒ぐらい待ってから各急須にまわし注ぎます。二煎目は10秒程度で注いでください。 |
ほうじ茶 番茶 玄米茶 |
熱湯 | 茶葉は5人分で15グラムl程度、湯量は600ml(一人あたり100mlぐらい)、急須に熱湯をいれ約30秒ほど待ち、まわし注いでください。二煎目は湯を注いですぐに注いでください。しかし、成分は一煎目でかなり出尽くしているので、新しい茶葉にかえたほうがよろしいかと思います。 |
参考:「おいしいお茶の淹れ方」の「急須の上手な使い方」もご覧下さい。
保管方法
お茶の保存はどうすれば良いのですか?
店先などでもそのまま常温(冷暗所)で管理しているのを見かけると思います。
もちろんこれでOKです。
ただし、お茶はにおいや水分を良く吸収しますので、一度開封したものなどは必ず密閉性の高い茶缶や容器に保管し、早めに(半月程度が目安です)お召し上がりください。
開封していないものは冷凍庫などに保管しておくと購入したままの状態を長期にわたって維持できます。
(注意!:冷えている物はすぐ開封しますと一気に水分を吸収し、常温保管時よりも逆に状態が悪くなってしまう場合もあります。かならず常温に戻してから開封してください。)
お茶はいつまでもつのですか?
開封前のお茶であれば、基本的にはそのために表示してある物ですので、お茶の賞味期限などを目安にして下さい。
しかし、お茶は保管状態によってよりおいしくなる事もあれば期限内でもまずくて飲めない状態になってしまう事もあります。まずは保管方法のチェックをしてみてはいかがでしょうか?お茶の特性をある程度理解していればおのずと保管のポイントがわかってくると思います。正しい保管方法を守っていれば賞味期限内でしたらいつでもおいしいお茶が召し上がれると思います。
逆に「蔵出し煎茶」「蔵出し新茶」等の名称で長期保存したお茶を売っている場合もあります。これはお茶も熟成によっておいしくなる事もあるということです。
したがってうまくすれば自家製蔵出し煎茶なんてものができるかもしれませんね。
参考程度にお茶が嫌う環境を書きますと、「湿気」「高温」「臭気」「紫外線」等です。
これらの劣化原因をなるべく排除した保存をすればおいしいお茶を長く楽しめる事になります。
お茶の種類
“深蒸し”とか“浅蒸し”とかって何の事?また普通茶って“何蒸し”なの?
緑茶を製造する工程を簡単にあらわすと、「蒸す・揉む・乾かす」の3要素です。
つまり、○○蒸しと書いてある通り、その内の一番初めの工程である“蒸し”の時間の長短を表しています。
蒸しの工程は、青臭さを取り除く事と茶葉の緑色を留める(酸化酵素の動きを止める)ために行うのが目的です。蒸し時間は大体の基準があり、さらに製茶工場ごとに特徴が出る長さに決められます。
したがって当社で言います煎茶(普通煎茶)は当社の標準の蒸し時間であり、浅蒸し煎茶は当社の標準蒸し短めに蒸したお茶、深蒸し煎茶はさらに長く蒸したお茶となります。したがって他店の基準とは異なりますので、その点はご理解下さい。
参考までに深蒸しする利点としては渋みを和らげ味にコクを出す効果があります。逆に浅蒸しは切れのある渋みと甘みを持つお茶に仕上がります。
※「深蒸しと浅蒸し」もご参照下さい。
新茶って何?
お茶は一年作物です。そして、その年一番最初にとれた新芽から作ったお茶を新茶とよびます。その意味で言うと、新茶は季節の訪れを楽しむものといえるかもしれませんね。
荒茶ってどんなお茶?
お茶が出来るまでの工程は、簡易的に記しますとこのようになります。
つまり一次工程が終わったお茶を荒茶と言います。
見た目で言いますと、お茶の形にはなっていますが、茎や粉・大小入り混じった茶葉などがまだ混在しているままのあまりきれいではない状態です。水分量も5%前後と仕上げされたお茶よりも数%高く、より生に近いお茶と言えます。
仕上げ工程では粉や茎を取り除き、大きい茶葉は切断、形を整えてから乾燥火入を行い火香をつけ製茶して製品となります。
「荒茶風味 緑」は形をある程度整え、火入れ乾燥もほんの軽く行なっただけの製品です。荒茶のままというわけではないですが、当社の商品の中では、より荒茶に近い製品です。よろしければお試し下さい。
焙煎風味って何してるの?
お茶を製造する際、最後の仕上げ工程において乾燥火入れと言う作業を行ないます。この工程は、もちろん乾燥も目的なのですが、火入れ(熱を与える事)によって香りを引き出すのも目的となっています。
この火入れによって引き出される香りは、「火香(ひか)」と呼んでおり、別称は焙焼香・加熱香気とも言います。この香りはお茶を開封した際にプンと来る香りで、これを指してお茶の香りと認識している方も多いことと思います。(決して間違いではないですが、火香は熱によって香り成分に変化を起こして引き出す香り、元々生葉から由来する香りもある)
元々お茶は火入れをするものなのですが、あえてこの火香を強く引き出した製品を当社では「焙煎風味」と呼び、区別しております。つまり強弱の違いだけであり、別の事をしている訳ではありません。
静岡茶を買ってきたのに以前飲んだ普通煎茶と比べて茶葉は細かいし、味も違います。これってどうして?
静岡茶といえば本山茶や川根茶が有名ですから、おそらくこの方はそのあたりの普通煎茶をお飲みになったのでしょうね。
しかし、同じ静岡茶とは言え、県内の産地によって製法・形など様々です。 正確に言えばたとえ販売している地域が同じでも、製造している荒茶や仕入れる荒茶の形状の差・組み合わせる比率・火入工程の差など様々な要因により、お店ごとに味や形が違います。
たとえば形の事で言いますと、お茶は蒸す事によって味が決まるのですが、当センターではやや長く茶葉を蒸します。その結果、茶葉が砕けて細かい部分が多くなります。当地、掛川近隣では大体このような深蒸し系の煎茶が主流で、近隣の地域の製法も似通っており、全体的に深蒸し系と言えます。
そして、本山茶や川根茶は当社よりももっと短い時間で蒸したお茶がその地域のメインですので、そういった茶葉と比べますと、たとえ浅蒸し煎茶といえど当センターの茶葉は相当に細かいです。
しかしその中でもやや短めに蒸した茶葉は浅蒸し煎茶という呼称になり、当社の標準時間で蒸せば普通蒸し煎茶となります。
これは欠点ではなく製法の違いですので、その点をご理解いただきたいと思います。 そして味の点ですが、火入加工・ブレンドなどはお店独自の秘伝であり、お好みが様々であるようにお茶の味もお店ごとに、また作るお茶師さんによって味のつけ方が違います。つまり、同じ静岡県内産のお茶でもいろいろな製法があり、呼称もお店独自の基準ですから、ただ単に静岡産普通煎茶といってもイメージしていたお茶と違うと言うことはあると思われます。
もし、気に入った商品があったのであれば同じお店で同じ商品を購入する。また、違うお店で買うのであれば、まずはサンプルを依頼するなどよく吟味して納得してから買うなど、一度確認した方がよろしいかと思います。
もちろん当センターのお茶を気に入って頂ければ申し分ないのですが。。。
お茶の知識
お茶の成分って値段が高いお茶ほど多いの?
どの成分に対してなのかによりますが、旨み成分のテアニンで言えば玉露・抹茶や被せ茶(被覆茶)が一番多く、次に高級煎茶、煎茶と続きます。
つまり旨み成分に関して言えば、お値段に比例していると言えるかもしれませんね。カフェインもテアニンと比例していますが、カテキンは上級茶よりも下級茶に多く含まれています。
同じ高級煎茶なのに値段が違うのはなぜ?
お茶は茶摘み期間中でも日を追うごとに旨みも減っていき、生葉の価値(買値)も比例して下がっていきます。つまり高いお茶ほど早く摘み取られた茶葉で、旨みも多いと言えます。
お茶の値段は、単純に言ってしまえばこの仕入れ値を基準に設定されますので、このように認識して頂くのが良いかと思います。ただし、おいしい・おいしくないは嗜好によるものなので、高ければおいしいという事ではないとご理解下さい。
新茶はいつも買っているお茶よりおいしいのが当然ですよね?
折角の新茶なのに新茶の香りが全然ないのはなぜ?
まず新茶の香りについてですが、新茶の香りと言うのは非常に繊細でおとなしい香りとご理解下さい。そしてお茶をあけた時、プンとくる香りは新茶の香りではなく火香(ひか)と呼ぶ加熱によって引き出した香りです。
お茶のおいしさは、味・香り・形状と様々な要素が混ざり合って決定されますが、その内の大きなポイントであるお茶の香りは大きく2つに分ける事が出来ます。
一つは生茶葉本来が持つ青い香り、もう一つは製茶工程の火入れ乾燥で作られる火香(ひか)です。
年間販売しているお茶はこの二つのバランスを整えて製茶します。強弱で言えば前者はデリケートでやや弱い香り、後者は香ばしい強い香りですので、あまり火香を強く前面に出すと生茶葉本来の香りが消されてしまいます。ほかの御茶屋さんでは新茶も同じように仕上て、火香を強く入れるところもありますが、当社では新茶はあえて摘みたての香りを引き立たせる為に火香をあまり付けません。
したがって味自体はとてもコクがあっておいしいのですが、全体的にお茶としての香りの強さでいえば、当然、新茶のほうがおとなしく感じます。
繊細な生葉の香りが感じられ、とても心地よいと毎年この時期しか買わないお客様もいらっしゃるのですが、一方で新茶はお茶らしい香りが強いものと思われている方には、やや物足りなく感じると思います。
そういった方にも満足していただけるように「八十八夜 火香仕立て」を数年前から販売しておりますので、そちらをお求め頂くか、通年販売茶の新茶をお待ち下さい。
茶渋ってなんですか?
茶渋の主は成分はカテキン等のポリフェノール成分です。
カテキンやポリフェノール類は酸化すると褐色変化します。
この成分が茶器に酸化着色したものと現在は考えられています。
店先などではいろいろなお茶が並んでいていったいどれを買ったら良いのか迷ってしまう。
この質問は多数の方から伺いますが、これは好みの問題もありますので一概には申し上げれないのですが、もしお店で購入するのであれば試飲させていただくのが一番よろしいかと思います。
あとは試供品があればそれを申し込むなどが考えられます。
それと店員さんにアドバイスしてもらったり、とにかく情報をたくさん入手するのも一つの方法かも。
病を患っております。体に効くお茶を教えてください。
確かにお茶は健康のための各種ビタミンやカテキンなどさまざまな栄養素を含んでおります。しかし、ここで勘違いしてもらいたくないのがお茶はけっして薬ではないと言うことです。
いろいろな方面からお茶の薬効が取り上げられていかにも薬のように取り上げておりますがこれは何年にもわたってお茶を飲みつづけている人の結果であってすぐに効くようなものではありません。
したがって病を治すにはきちんとその病気にあった薬を調合してもらうのが一番よろしいかと思います。
あとひとつ、薬はお茶で飲まないようにしましょう。
これはお茶のさまざまな成分が薬といっしょになることにより、効果が半減してしまったり、薬の成分と結合して結果的に体に吸収されないまま排出されてしまったりすることがあるためです。
薬はお水や冷まし湯で飲むほうがよろしいと思います。
当社のお茶について
そちらのお茶は農薬を使ってるの?
はい。使用しております。ただ、農薬の使用には厳しい規則や方法が決められており、当センターでも茶農家への講習などを行って、なるべく農薬を減らしてもらったり、使用農薬の統一化なども進めております。また、最近の農薬はより人体への影響も少なくなりましたし、天敵を使った防除法も多く聞かれるようになりました。
ただ、防除は必要と言うこともご理解いただきたい点でもあります。もちろん茶摘み前には農薬は使用しないですし、直接使用する野菜などと違い、ほとんどの防除する対象は芽が出る前の母枝であり、新芽にはほとんど農薬はかかってはいませんので、ご安心下さい。
正しい方法で防除したお茶の木は、よい状態で茶摘みを迎えます。状態の良い茶樹から採れた葉はおいしいお茶になりますし、1年かけて大事に育てられた茶葉はむしろ安全と言っても良いのではないでしょうか。